
いまのWiMAX機種では、2.4GHzと5GHz帯のWi-Fi電波が使えます。
2.4GHz帯はスマホや家電系も使っていることから、邪魔されて通信が途切れる原因になったりすることも。
そんなデメリットをカバーできる5GHz帯は、我が家でWiMAXを使って速度比較してみた結果かなり快適でした。
関連記事
⇒WiMAXの5GHzと2.4GHz帯で速度比較してみた
ただ5GHz帯は国がレーダーなどで使っている電波なので、室内でしか使っちゃダメよ?と電波法で決められています。
(外で使ったとしてもバレなさそうですが絶対に止めておきましょう)
ちょっと前振り長くなりましたがようやく本題へ。
そんなWi-Fi電波に6GHz帯を導入しようとする動きがあるらしい。
そこで6GHz帯がどんな感じになるのか?今後の対応状況なども調べてみました。
Wi-Fi電波の6GHz帯ってどうなの?
現行機種は5GHz帯が主流

現行のWi-Fi機種は5GHz帯の周波数を利用したIEEE802.11acがメインで、8ストリーム時の理論値で最大6.9Gbpsもの速度を期待できる仕様になってます。
専門用語だらけで知恵熱でそうですが、5GHz帯は最大6.9Gbpsでスゴイ!って部分だけで十分です。
光回線と比較してもスゴイ速さってのがわかります。
■ストリームとは?
Wi-Fi機種に搭載されているアンテナ本数のこと。WiMAXだと現行モデルには4本搭載されています。1本110Mbps×4本で下り最大440Mbpsとなっています(2018年時点)。
こんなのWiMAXより速い光回線でも、NURO光やauひかりの10Gbpsプランしか使いこなせないスペック。
利用者の多いドコモやソフトバンク光、その他業者でメインの通常プランだと最大1Gbpsなのでかなりの無駄スペックってことになりますね。
で、実際に流通している通信機器は、アクセスポイントでは4ストリームで最大2167Mbps(1000Mbps=1Gbps)、クライアント用の機器が2ストリームで最大867Mbpsとなっていて、規格が持つ本来の性能を活かしきれていない側面もみられます。
光ファイバー回線を利用してWi-Fi環境を構築した場合、光ファイバー側が下り最大1Gbpsのサービスだったなら、ユーザーが使ってるWi-Fi機種で最大867Mbpsという速度はバランスが取れているスペックと言えますね。
その一方で、2017年頃から日本国内でも一部地域でサービスが始まっている?5Gや、世界最速を謳う10Gbpsの光ファイバーサービスがスタートし、これまでは快適だった最大867MbpsのWi-Fi環境では物足りない時代がやってきそうです。
6GHz帯普及に向けた動き

来るべき未来に向け、6GHz帯を利用したWi-Fiの新規格を策定するべく、大手通信機器メーカーを中心に動きが始まっています。
実用化は2023年か?
従来は2020年をメドに6GHz帯を利用し、最大9.6Gbpsを実現するIEEE802.11axが制定され標準化することを目指していました。
9.6Gbpsなら前述の10Gbpsの光ファイバーサービスにも十分実用的な速度で、同サービスの加入者向けにレンタルするブロードバンドWi-Fiルーターなど一部で提供が始まっています。
ただこれは正式な標準規格でなく、一部のメーカーが独自に策定したものなので、指定された機種以外で動作保証されていないんですよね。
この先広く普及させていくにはネックといえそうです。
コレに対して新規格では、このIEEE802.11axをベースに改良を加え2023年までに実用化することを目指しています。
ストリーム数はIEEE802.11axの8本に対して新規格では16本となるのをはじめ、具体的な数値はわかっていませんが伝送速度は最大4倍になると言われていて、実測値でも5Gbpsを実現するという一部実証実験の結果も報告されています。
より多くのアンテナを用意することでいちばん条件のよい経路のアンテナに接続したり、複数のアンテナを同時利用することで、より繋がりやすさとトータルの通信速度アップが期待できます。
WiMAXの対応はどうなっていく?
WiMAXでは現在下り最大1Gbpsそこそこなので5Gbpsとかめっちゃ速いですね。
ここまで来るとWiMAXの最大速度では使いこなせなさすぎでもったいない(汗)
WiMAXは2020年度に1000Mbps台に速度アップしましたが、現状のままでは対応する意味もなさそうです。
ただこれだけの速度への対応を実現するためには、通信事業者の側もその規格に合わせて利用ユーザーに見合った無数のアンテナを整備する必要があります。
現行の多くのインターネットサービスが提供しているアンテナは、業務用のものでも最大4本なのが主流。
で、IEEE802.11axと新規格はややオーバースペックなアンテナ数ですが、クライアント側の機器で先行することにより各サービスのインフラ整備を促す目的もあるようです。
さらに日本国内でも2020年をメドに、新世代の通信規格5Gの開発に向けてdocomoなど通信事業者による実証実験や、一部地域でサービス提供が始まっていますが、そこで採用される通信規格にも大きな注目が集まっています。
※追記 5G回線は2020年に実用化されました
現在は大手通信事業者が独自規格を策定していますが、この6GHz帯を利用した新規格が世界標準となり普及することになれば、日本国内の事業者は独自規格を捨てて新規格に移行する可能性もあるでしょう。
海外メーカーではすでに、従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて6GHz帯にも対応した新らしいトライバンド対応のブロードバンドルーターやアクセスポイントの開発に成功し、ローンチの準備に入っているとの情報も出ています。
6GHz帯は電波法的にどうなの?

5GHz帯は日本では電波法の決まりにより室内利用限定でしたが、6GHz帯はどうなのか?が気になるところです。
日本国内では本来、電波を発する機器を使うには免許や認可が必要です。
が、なぜ個人が家庭用Wi-Fi機器やWiMAX、携帯電話・スマートフォンなど電波を発するデバイスを自由に使えるのかというと、法律や総務省の規約により免除されているから。
そんな中、日本国内の事情として東京オリンピックの影響は大きいでしょう。
東京オリンピックにはかなりの数の外国人観光客が訪れると予想され、無料Wi-Fiスポットの整備も求められています。
その頃に世界中で6GHz帯の機器が普及しているなら、日本国内のみ使用できないのは不便ですし、他の周波数帯と同じように免許が無くても利用できるよう法改正やガイドラインの見直しも含めて検討が行われているようです。
ただあくまで検討段階でしかないので、実現させるためにも6GHz帯を使った新規格の正式発表や周辺機器が各メーカーから発売されることは大事です。
そして対応機種が普及し通信事業者による通信インフラの整備も新しくしなければいけないとなったら、かなりの費用負担が発生するなどいろいろな課題もでてきます。
なんにしても、今まで以上に快適な通信環境になってくれるのは間違いないので、関係各社の皆様方には頑張ってもらいたいですね。
まとめ
徐々に広まりつつあるWi-Fiの新しい周波数「6GHz帯」について調べてみました。
5GHzで十分じゃない?と思わなくもないですが、Wi-Fi利用者が増えていく今後のことを考えると、選択肢が大いに越したことはありません。
また総務省発表データによると、動画サービスに充実や画質の高精細化に伴って通信データ量も急増しているので、快適なインターネット環境にするために少しでも早く普及するといいですね。
個人的にはWiMAXで対応するかどうか?が気になりますが、現状それ関係の発表もなくWiMAXの速度的にも必要なさすぎるのでなさそうですね。
ドコモなどが実証実験を進めている5G技術が、WiMAXでも使えるようになったなら6GHz帯も対応するはず。
それまでWiMAXサービス続いているといいけど・・・。