
WiMAXルーターの便利なところは「どこでも使える(※)」ことですが、インターネットに繋げる以上は使い心地の良さもなければ意味がありません。
(※山間部や海上は無理です)
最近のモバイルルーター機器のセールスポイントに「最高速度」の数値がよく使われています。
WiMAXなら「下り最大440Mbps」とか「1237Mbps」って数値が端末の宣伝文句に出てきます。
ですが提示されている数値は「理論上の数値だったり、整った条件下で出せる速度」ってことが大前提なんですよね。
リアルな実測値平均速度なんて宣伝で使ってたら、新規のお客さんを逃がしてしまうかもしれませんので・・・。
ちなみに私が使ってる通信環境でも、実測値は40~50Mbpsくらいだったりします。
(地方都市在住)
でも理論上の速度とは言え、最高速度が絶対に出せないわけではありません。
そこで、できるだけ最高速度に近づけるために知っておきたいポイントについてまとめました。
WiMAXで速度に影響のあるポイント
- 電波の通りが良い場所かどうか
- 利用する回線
- バッテリーモードはケチらない
- 通信方法の違い
それぞれを詳しく解説していきます↓
1.電波の通りが良い場所かどうか

電波で通信を行うため、そもそも電波の通りが悪い場所で使っていては何をしても速度は出せません。
とくにWiMAXの電波のような高い周波数帯(2.5GHz)だと、コンクリートなどの障害物に弱いので、対応エリアにしっかり入ってる都市部でもビル街の隙間で繋がらないこともあります。
(携帯では低い周波数帯700~800MHzがメインで繋がりやすい)
また建物内部深くだったり、地下なんかも厳しいですね。
自分の部屋の中でも、ほんの10㎝動かすだけでアンテナ本数に大きな違いが出ることもあります。
- 障害物が少ないかどうか
- 電波の出入り口である窓際で使う
- 低い位置よりも高い位置
- 窓の向きが電波のWiMAX基地局に向いている
などといった点に注目してみるといいでしょう。
部屋や家の造りだけじゃなく、周囲の建物や通信を行うWiMAX基地局の位置などでまったく変わってしまうので、実際に本体を使って計測してみるしかありません。
一番大事なのはWiMAX基地局との距離と間に邪魔がないかどうかですが、公式に問い合わせても教えてくれないんですよね・・・。
一般ユーザーが運営する「塔マップ」というサイトで、ユーザーから情報提供された基地局情報がわかるんですが、これも100%網羅されてるわけではありません。
※追記 塔マップは閉鎖されたようです
「引越してでもWiMAXが快適に使える環境にしたい!」と考えてる特殊な人はぜひ参考にしてください。
2.利用する回線

通信回線にも「WiMAX2+」「3G」「4G」などといった種類があります。
ドコモやau、ソフトバンクなどで対応バンドが違ったりしますが、使う周波数帯域はほぼ一緒です。
その点についてはここで解説しても意味がないのでグーグルさんに聞いてみてくださいね。
では通信回線別に特徴をサラッと解説しておきます↓
WiMAX2+回線の特徴
上でも触れましたが、WiMAX回線(WiMAX2+)は基本的に山岳地帯や地下鉄など、障害物に弱い傾向があるものの速度はとても速いのが特徴です。
速度だけならスマホなどで使われる4G回線に劣りませんが、電波が弱くなってしまいやすいのが弱点です。
3G回線の特徴
3G回線は携帯電話と同じような使い勝手で使えるため田舎にも強いです。速度は遅いため最高速度を出すには適しません。
4G回線の特徴
4G回線は通信速度がウリです。
動画の視聴やアプリのダウンロードなど、大容量の通信を素早く行うのに適しています。
3Gほど通信範囲がカバーされていないため、場所によっては弱い場所もありますし、そもそも電波が届かないため使えない地域もあります。
でも障害物には強いこともあってWiMAX2+と比べて電波の届く範囲内での安定感が高いです。
当然ですが電波が利用端末まで届かない回線を使ってしまうと、どんな努力をしても速度は出ません。
そういった場合、ちゃんと電波が届いている回線を選ぶようにしましょう。
WiMAXは2回線に対応
WiMAXでは「WiMAX2+」と「au 4G LTE」回線の2つが使えます。
(古いモデルはWiMAX2+だけのものもあり)
端末設定で通信モード切替できるので、WiMAX2+回線が調子悪いときはau 4G LTEモードにする、など柔軟性ある使い方ができるのは大きなメリットですね。
ちなみにこのau回線を使うモードを「ハイスピードプラスエリアモード」と言いますが、WiMAX業者で3年縛りプランを契約せずに使用すると別料金が発生するので気を付けてください。
その額月1005円。
あまりホイホイ気軽に使えないので、必要な人は契約時のプラン選びは慎重にしましょう。
3.バッテリーモードはケチらない

WiMAXルーターが一番活躍する場面というのは、外出時のような有線インターネット回線が無い時です。
そういった状況は多くの場合電源の確保も難しいので、外でルーターを使う時は「バッテリー消費」が気になってしまいます。
多くのWiMAX端末では機種によって名称に違いはあるものの「省電力モード」や「ハイパフォーマンスモード」など3つのモードが用意されています。
ただ速さを求めるなら、バッテリー消費量は最大ですが一番高いパフォーマンスで使えるモードを選びましょう。
速くて強力な通信をするためにはバッテリーの消費は避けられませんが、快適性をとるなら仕方ありません。
4.通信方法の違い

先ほど紹介したバッテリー節約モードの話に通じる部分ですが、通信方法にも違いがあり通信速度に影響します。
「CA(キャリアアグリゲーション)」や「4×4 MIMO(フォーバイフォーマイモ)」といった種類があります。
この二つの通信方法を簡単に解説↓
CA(キャリアアグリゲーション)
複数の電波を束ねて通信速度を高速化させる技術ですが、対応エリアは徐々に広がっている段階なので使えない地域も多いのが難点です。
速度は束ねた電波の数だけ上乗せしていくことができ、とても高い速度を出すことができます。
WiMAX電波のCAでは「WiMAX2+とWiMAX2+回線」「WiMAX2+とau 4G LTE回線」、の2パターンありますが、より高速通信が使えるau 4G LTEとのCAに対応するエリアは東名阪の一部のみです。
理論上の最高速度が出せる通信方法なので、速度を重視する場合はとくにau 4G LTE回線とのCAに対応しているエリアかどうか?が大事なポイントになります。
ただし!このCAに対応するモデルは、中国ファーウェイ製のモバイルルーター型だけなので気をつけてください。
(W03以降のモデル)
4×4 MIMO(フォーバイフォーマイモ)
基地局のアンテナと端末のアンテナをそれぞれ4本に増やすことで、多くのデータを同時にやり取りできるようにする技術です。
ただ一つの基地局と多くのデータをやり取りできるようになるだけなので、その基地局が混雑している場合は通信速度の高速化は望めません。
ちなみにWiMAXの場合、1つのアンテナで最大110Mbpsとなっているようです。
いま出ている最新モデルは4アンテナ搭載されていて、これらのアンテナから発射される電波を束ねる(CA)ことで速度を向上させ最大440Mbpsとなっているわけですね。
ここまで紹介したWiMAXルーターで最大速度を出すために必要な条件をまとめると
- 電波の通りが良い場所で使う
- 「au 4G LTE」回線のCA対応エリアで使う
- ルーターのバッテリーのモードは「ハイパフォーマンス」にする
の3点です。
理論上の最大速度を目指すとなると、他に使ってる人が全くおらず自分だけが通信している、など非現実的な条件も必要になってくるので難しいですね。
まとめ
WiMAXルーターの通信速度をできるだけ理論上の最大速度に近づけるために知っておきたいポイントを解説しました。
これやったからって劇的に速くなるとは限りませんが、改善される可能性大です。
思ったより遅いな、と感じている人はチェックしてみましょう。