
WiMAX2+はサービス開始から数年とまだ比較的若く、これからといえるネット回線サービスです。
WiMAXの契約者数は3000万件以上とかなりの数で、すでにWiMAXルーターを使ってる人もたくさんいるんじゃないでしょうか。
端末スペックも年々向上し最大速度も上がり続けていますし、今後も新しいモデルが出続けることでしょう。
で、WiMAX2+ルーターはネットに繋ぎたい端末(スマホなど)とのやりとりを主に無線(以後Wi-Fi)でします。
このWi-Fi電波には2種類あり、機種設定で切り替えられます。
そこで、この2種類のWi-Fi電波はどちらがいいのか?それぞれの特徴や違いを調べてみました。
目次
Wi-Fiの2つの帯域 2.4GHz/5GHz は何が違う?
Wi-Fiには2つの帯域が使われていて、2.4GHz と 5GHz があります。
帯域とは道路幅みたいなもので、大きければよりたくさんの物資を積んだトラックを走らせられる=データ通信速度が速くなります。
また、2.4GHz帯は身近にある家電などが使っていることも多く身の回りを飛び交っている=混雑していることも多いです。
すると道路が渋滞する=データ通信速度が遅くなります。
それに対して5GHz帯はまだ使ってる機器が少ないので邪魔するものがなく安定した通信が可能です。
5GHzは2.4GHzに比べて障害物に弱いっていうデメリットもありますが、WiMAX2+ルーターを使う人はたいてい身近において使うはず。
とくに問題ないでしょう。
ここからはそれぞれの違いをもっと詳しく解説していきます。
もうわかったからOK!って人は、我が家で実測値を比較してみたのでぜひ参考にしてもらえれば。
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⇒Wi-Fi 5GHzと2.4GHz帯で速度比較(WiMAX使用) どれくらい違う?
Wi-Fi 5GHz帯の特性と利用時の注意点

Wi-Fiの5GHz帯を利用した規格には下り最大54MbpsのIEEE802.11aから、下り最大6.9GbpsのIEEE802.11acまでの規格があります。
何と言ってもその高速通信が大きな特長で、電波条件さえ良ければ無線による伝送部分がボトルネックになる事無く、ギガビット単位の伝送速度を持つ光ファイバーなどの固定回線のスペックをそのまま活かす事が可能です。
他機種が2.4GHzメインなので干渉する可能性が低い
2.4GHz帯を利用するWi-Fiの場合は、電子レンジやBluetoohなどの機器が発する電波と干渉して伝送速度の著しい低下やネットワークが途切れると言ったトラブルが頻発してしまう事がありました。
が、5GHz帯の場合はそれらの周波数と一切干渉しないため、同一のフロアや建物にそれらの機器が混在していてもネットワークの速度や安定性についてお互いに影響を与える事がありません。
障害物に弱い弱点も
5GHz帯のWi-Fi機器で高速通信を実現できる一方でトレードオフとなる大きな課題が障害物に弱いと言う特性です。
5GHz帯は2.4GHz帯と比較して直進性が高く見通しの良い同一フロアに親機と子機を設置すれば快適な高速通信を利用できます。
が、電波を遮る壁があったり1階と2階でフロアを跨ぐなどの場合は速度低下や接続そのものが滞るというケースもあります。
このような特性から、5GHz帯のWi-Fiルーターでベストな通信速度を安定的に得るためにも親機と子機を見通しの良い同一フロアで利用するのがいちばんです。
弱点を補ってくれるWiMAXルーターを選ぼう
やむを得ず壁やフロアを挟んで接続する場合は、5GHz帯の弱点をフォローするコンセプトのWi-Fiルーターを利用する事で改善できる可能性があります。
- 電波強度を増強するハイパワーモデル
- 親機と子機を複数のアンテナで結び接続性を高めるMU-MIMO
- 遠距離でも対応端末の位置を狙って直線的に信号を届けるビームフォーミング
- 複数の可動式のアンテナを搭載してあらゆる角度の電波を送受信できるモデル
など、弱点を補ってくれるWi-Fiルーターを選びましょう。
互換性とコストに注意
もうひとつの課題は互換性とコストの問題です。
5GHz帯は新たな規格のため同規格の製品は古くからある2.4GHz帯の機器と比較して種類が少なく、価格もやや高めになっています。
Wi-Fi 2.4GHz帯の特性と利用時の注意点

Wi-Fiの2.4GHz帯には下り最大11MbpsのIEEE802.11bから、下り最大300MbpsのIEEE802.11nまでの規格があります。
1997年から1999年にかけて正式な仕様が制定されて以降、幅広く普及している事から対応機器の価格も比較的リーズナブルです。
それに加えて、その後にリリースされた最新のモデルでも多くは下位互換で2.4GHz帯を利用できるモードを搭載しているため、古い機器との間でも互換性が高いのも大きなメリットです。
5GHz帯より障害物に強い
2.4GHz帯は障害物にも強く、電波状況さえ良ければ例えば1階にWi-Fiルータを設置して2階のタブレット端末からネットワークを利用するなどフロアを跨いで利用する事も可能です。
そのような事情からも2.4GHz帯はまだまだ健在で、ギガビット単位の高速規格が次々と登場している昨今でも電波強度を優先して2.4GHz帯を敢えて選択するケースも少なくありません。
多くの機器で使われるため干渉されやすい
その一方で大きな課題となるのが電波干渉の問題で、利用環境には注意しなければなりません。
Wi-Fiの2.4GHz帯と全く同じ周波数帯を発する機器の代表格には電子レンジがあり、調理を始めるとWi-Fiの速度が著しく低下したり最悪の場合はネットワークが途切れてしまう事もあります。
その他にもUSBレシーバーを利用するような無線キーボードやワイヤレスマウス、スマートフォンやタブレットに多く採用されているBluetoothも2.4GHz帯を利用しています。
それらの機器を使用せざるを得ない場合の対策はWi-Fiルータや影響の出た機器から距離を取る必要があり、USBレシーバーはパソコン本体のUSB端子ではなく、延長ケーブルを接続して無線キーボードやワイヤレスマウスのすぐ近くに設置するのが最も効果的な方法です。
それでも問題が解決できなかった場合は、2.4GHz以外の周波数帯を使用する機器や有線接続の機器の導入も視野に入れて検討する必要があります。
それぞれのメリット・デメリットを紹介してきましたが、速度面での快適性は5GHzが上。
それなら5GHzに対応してる方がいいと思いません?
というわけで、今手に入るWiMAXルーター端末でWi-Fi(5GHz帯)に対応したものを調べてみました。
5GHz帯に対応したWiMAXルーター一覧
メーカー | 端末名 | 5GHz対応 | IEEE802.11 対応規格 |
---|---|---|---|
NEC プラットフォームズ | WX06 | ◯ | ac/n/a |
WX05 | ◯ | ac/n/a | |
WX04 | ◯ | ac/n/a | |
WX03 | ◯ | ac/n/a | |
WiMAX HOME 02 | ◯ | ac/n/a | |
WiMAX HOME 01 | ◯ | ac/n/a | |
NEC | WX02 | ◯ | ac/n/a |
WX01 | ◯ | ac/n/a | |
NAD11 | ◯ | ac/n/a | |
Huawei | W06 | ◯ | ac/n/a |
W05 | ◯ | ac/n/a | |
W04 | ◯ | ac/n/a | |
W03 | ◯ | ac/n/a | |
W02 | ◯ | ac/n/a | |
W01 | ◯ | ac/n/a | |
HWD15 | △ | a/b/g/n 受信だけOK | |
HWD14 | × | - | |
L02 | ○ | ac/n/a | |
L01s | ○ | ac/n/a | |
L01 | ○ | ac/n/a | |
シンセイ コーポレーション | novas-Home+CA | ◯ | a/n/ac |
URoad-Home2+ | ◯ | a/n/ac | |
URoad-Stick | Wi-Fiなし | - |
注意したいのは中古を買って使おうと思ってる人。
これからWiMAXを提供しているプロバイダで契約する予定なら好きなものを選んで大丈夫です。
契約するのはまず間違いなく最新機種のどれかになるはずですし、対応してない端末はそもそも選べないので特に気にする必要もありません。
あと、5GHz帯は電波法の関係で屋内でしか使えないのでご注意下さい。
まとめ
WiMAX端末が対応しているWi-Fiの帯域「5GHz帯」と「2.4GHz帯」についてまとめました。
5GHz帯は部屋の中でしか使えないため外出先で使うときは要注意ですが、快適性は上と言えます。
我が家で計測してみた結果でもはっきり速度が違ったため、自宅でしか使わない人は常に5GHz設定にしておくといいですよ。
持ち歩くことが多い人は切り替え忘れもありそうですし、2.4GHz帯だけにしておいたほうが安心です。