
WiMAXについて調べていると、WiMAXとLTEについて目にすることも多いはず。
名称が違うんだから、別のものなんだろうなってことはなんとなくわかる・・・かもしれません。
ただみなさんの認識も、字が違うだけレベルから、仕事として関わっている技術者レベルまでさまざまだと思います。
というわけで、WiMAXとLTEの違いについて調べたことをまとめてみました。
目次
WiMAXとLTEの違いについて調べてみた
まずそれぞれについては過去記事でとりあげているのでご参照ください。
過去記事1
⇒WiMAXとWi-Fiの違い
過去記事2
⇒LTEについて
2つの違いって何?
まずは結論から。
周波数の違い
使っている「周波数」が違います。
WiMAXは2500MHz帯の周波数を使っていて、障害物に弱いながらも高速なデータ通信が可能です。
対してLTEは700~3500MHz帯で幅広く使われている周波数ですが、メインは700/800MHzの低い周波数帯を使います。
こちらは速度より安定性が高く、障害物があっても回り込んで届いてくれる特性もあります。
携帯電話とデータ通信端末でそれぞれ使われています
音声通話に使われているかどうか、も大きな違いです。
上で紹介したとおり、安定性があるのはLTEのほうで、通話できるスマホやケータイで使われてています。
WiMAX電波でも音声データをやり取りできますが、通話が途中でぷちぷち切れてしまったらサービスとしては成り立たないでしょう。
というわけで、スマホではLTEがメインです。
ただ、auスマホの一部はWiMAX回線も対応してますし、逆にWiMAX端末も新しいモデルはauのLTE回線が使えます。
WiMAX2+の「+」って何?
WiMAX回線は「WiMAX」と「WiMAX2+」があり、今はWiMAX2+がメインです。
で、「+」はLTEにも対応してますよ~っていう意味だったりします。
無印は2020年にサービス終了。
上でも触れてますが、WiMAX回線はLTEの周波数帯の一部に含まれているので、WiMAX=LTEみたいなもの。
電波を国から許可を得て使わせてもらっている企業・キャリア(ドコモとかauとか)が独自の呼び方をしてることもありますが、基本的には同じですね。
WiMAXとLTEの違いはある程度OKとして、WiMAXには無印、2+、au 4G LTEの3種類回線があるので、これらがどんな特性をもっているのか?を調べてみました。
WiMAXとWiMAX2+とau 4G LTE回線の特性
WiMAX(無印)回線
一般的なモバイルデータ通信サービスの多くは加入するプランによって利用できるネットワークが決まります。
が、WiMAXの場合は加入した時点でユーザーは複数のネットワークを利用できる状態にあり、利用するエリアと端末の機種によって利用できるネットワークに違いがあるのが特長です。
WiMAX(無印)は下り最大13.3Mbpsに留まるものの、ハイパワー対応端末を利用すれば電波状況の厳しい弱電界の環境でも接続性が向上し繋がりやすくなるというメリットがあります。
多くのWiMAXプロバイダでは月間高速データ容量が7GBまでのプランと無制限プランが提供されていますが、7GBのプランは高速データ容量を使いきれば速度制限に入り、再び高速通信を利用したければ容量をチャージするか翌月にリセットされるまで待つ事になります。
無制限プランでは3日間制限があり、直近の3日間で通信量が10GBを超えることがあれば翌日18時~2時頃までの約8時間にわたり速度制限されてしまいます。
一方でノーリミットモード対応のプランに加入し対応端末を利用すれば、下り最大13.3Mbpsではあるものの無制限に利用し続けることが可能です。
ただ残念ながら2018年3月をもってサービス終了、2+回線をより快適にするため合体する計画です。
WiMAX2+回線
WiMAX2+は下り最大110Mbpsと下り最大220Mbpsのエリアがあり、2本の周波数帯の回線を1本に束ねて伝送速度と接続性が向上するキャリアアグリゲーション&ハイスピードモードに対応した機種を下り最大220Mbpsのエリアで利用すれば、合計で下り最大440Mbpsという快適な高速通信を実現します。
また、関東と関西の一部エリアでは下り最大708Mbpsのサービスも開始され、今後の対応エリアの拡大に期待がかかっています。
(2018年からは758Mbps、年末には900Mbps以上になる予定)
au 4G LTE回線
au 4G LTEは下り最大150Mbpsで、対応エリアが広く日本全国をカバーしておりWiMAXの非対応エリアを補完する役割を果たします。
WiMAXとWiMAX2+に加えてau 4G LTEの3つのマルチネットワーク対応端末を使用すれば、利用エリアや電波状況に応じて切り替える事でシームレスにモバイルデータ通信を継続して利用できます。
異なる事業者の回線を1本に束ねて伝送速度を向上させる事ができるマルチキャリアアグリゲーションに対応したハイスピードプラスエリアモードを搭載した機種を利用すれば、WIMAX2+とau 4G LTEの下り最大速度を合体させて758Mbpsという高速通信を実現します。
つづいてWiMAXと、LTE回線を利用するワイモバイルのライバル2ブランドを比較。
(WiMAXも機種によってWiMAX/WiMAX2+回線のほかau 4G LTE回線も使えます)
2社にはどんな違いがあるのか?についても速度や対応エリア、料金など調べてみました。
WiMAXとワイモバイルの違いは?
エリアの違い
WiMAX回線とLTE回線は提供会社や利用可能なエリアに違いがあります。
WiMAX回線はUQコミュニケーションズが提供する回線で、幅広くWi-Fiルーターサービスに活用されています。
この回線を利用して提供されるサービスが多いことから、知名度が高く利用者が増えています。
WiMAX回線は事実上1社が提供しているので、こちらは混乱を招くような心配がほとんどありません。
一方のワイモバイル回線はソフトバンクとワイモバイルが提供しています。
元々スマートフォン向けに開発された規格なので、信頼性が高く通信エリアが広いのが特徴です。
速度の違い
毎年のように上限速度が上がっていっていますが、2019年時点ではWiMAXが最大1Gbps超え、ワイモバイルは900Mbps台後半と差があります。
ただしあくまでも最大速度なので、理論値と実測は違いますし、使う環境しだいです。
繋がりやすさの違い
通信エリアはLTE回線メインのワイモバイルの方が有利と言えるでしょう。
低い周波数帯のLTEなら山々が入り組んだ地域であっても、WiMAXより繋がる可能性は高いです。
WiMAXは障害物に弱く、建物の地下などに入るとほぼ繋がらないでしょう。
もし自宅で繋がらないなら、窓際に機種を設置するなどすれば改善されることもあります。
契約期間の違い
WiMAXの契約期間は契約する業者によって違い、期限なし~4年までさまざまです。
ワイモバイルは3年プランのみで柔軟性に欠けます。
料金プランの違い
基本料金はほぼ一緒ですが、WiMAX側は30社ほどがサービス提供しているため価格に開きがあります。
ワイモバイルは公式一社だけなので割引が弱め。
安さならWiMAXが有利です。
料金体系の違いをみるには、通信上限のないプランで比較すると違いが分かりやすいので比べていきます。
使い放題プラン比較
WiMAXのギガ放題はメインプランなので、お得な料金ながらも使い放題でインターネットが楽しめます。
ワイモバイルにも使い放題は用意されていますが、オプション扱いのアドバンスモードという点が異なります。
つまりオプションなので通常プランよりも少し料金が上がり、モードを切り替えなければ適用されないことを意味します。
また使い放題プランを詳細に分析してみると、両者の差は更に開いて前者が優位になります。
高速回線のLTEですが、使い放題に限ってはAXGPに切り替えなければ使えない場合があります。
この時の下り速度は最大で165Mbpsまで下がりますから、高速回線が使い放題だと思うと拍子抜けです。
使い放題の際に速度が低下するという罠があるので、比較や契約の際には制限を良く確認することが重要です。
通常プラン比較
通常プランの料金は前者が平均2500円台後半、後者は平均2600円台と約100円ほど違います。
加えて前者のギガ放題プランは平均約3000円で、後者のアドバンスモードは約4700円と差が開きます。
どっちがいい?
これらの比較から分かることは、使い放題や料金の節約なら前者、通信エリアと最大速度を取るなら後者が適しているということです。
実際は両者の差が縮まりつつあって、その違いは通信速度制限などに現れています。
回線を使い過ぎた時に発生する通信速度制限は、ギガ放題を提供するWiMAXにも当てはまります。
月間上限はなしに設定されていますが、直近3日間で10GB以上の通信を行うと約1Mbpsまで通信速度が制限されます。
通常プランの場合は月間上限が7GBで128Kbpsまで速度が下がりますから、そう考えればギガ放題はまだまだ可愛い制限だといえます。
通信速度制限は実は後者にもあって、通常プランの月間上限や制限中の速度は前者と同等です。
ギガ放題に相当するアドバンスモードの通信制限速度条件も、ギガ放題とほとんど同じに設定されているのが面白い所です。
まとめ
WiMAXとLTE回線の違いを調べてみました。
周波数の違いと、扱う企業の違い、この2つがメインですね。
LTE=WiMAXも間違いではないのでややこしい(汗)